
“ペットロス”と“ペットロス症候群”の違いをご存知でしょうか?
日本医師会の機関誌では『ペットロス=ペットを失うこと』とし、
『ペットロス症候群=ペットロスのダメージによる精神的・身体的不調』として区別しているそうです。
でも一般的には両者はほぼ同義語のように認知されているのではないかと思いますし、
医師会の機関誌でそう述べられているものの、はっきりとした定義はないそうです。
また、ペットロス症候群(Pet loss syndrome)という表現は日本独特のもので、
海外ではPet loss syndromeという表現もないそうで、
強いて言えば精神医学における対象消失(Object loss)が近しい意味・表現のようです。
【補足】英語圏でもペットロスは”pet loss”と呼ばれますが、
悲嘆の状況を表すには”grieving the loss of a pet” , ”pet bereavement”
(共に、“ペットを失ったことによる悲嘆” を意味する)などが用いられるようです。
しかし、医療の中心である医師会でペットロス・ペットロス症候群が認知されていることは、
そういった状況の方達の事がきちんと医学的に認知されていることであり、
重度の状態においては拠り所になる場所があるということですので、心強い状況と言えるのではないでしょうか。
一方で、“症候群”という言葉の響きから“病的≒異常”なイメージが湧くのも否めず、
正しい認知の妨げになっている可能性もあるようです。
しかし、ペットロス(症候群)は病気ではなく、ペットさんを失った方に起こる自然な現象であるので、
ご自身の状況・状態を過度に心配せず、悲しみや喪失感からくる体調不良もある程度は“そういうものだ”と受容すると少し心が落ち着くかもしれません。
何より、深い悲しみや喪失感は大切なペットさんとの絆があってこそ感じられるものだと思いますので、ペットさんを優しく抱きしめるようにご自身の気持ちも優しく抱きしめて労わってあげてはいかがでしょうか?
ただ、生活や健康に支障が出るほどの不調が2ヶ月以上と長引くようであれば、うつ病性障害に該当する可能性もありますので、
専門の医療機関(精神科・心療内科医)を訪ねることも視野に入れた方が良いかもしれません。
また、周囲にそのような状況に陥っている方がいらっしゃれば、そっと促してあげるのも良いかもしれません(その際は無理強いや、十分な理解なしでの助言とならないようご配慮下さい)。
前述のようにペットロス(症候群)はきちんと医学的に認められた“状態”です。躊躇せず専門家に相談されることをお勧めいたします。
※医学的に認知されていると述べましたが、医療機関によってはペットロス(症候群)へのケアの程度も異なると思いますので、初診やケアの内容で心を痛めることを避けるためにも、予め問い合わせした上で受診されることをお勧め致します。
<参考資料>
- ペットロスに伴う悲嘆反応とその支援のあり方(著者:木村裕哉、2009年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/49/5/49_KJ00005488186/_pdf/-char/ja - ペットロス体験を「症候群」と称することによる影響(筆頭著者:木村裕哉、2009年)
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/42622/3/kimura_JJAR24.pdf

