創作活動 心を癒やす

創作活動による癒し効果②

ものづくりの風景

(前回の続き)

論文では、「創作活動による悲しみの癒しに繋がる4つの行為とその効果」がまとめられています。

  • 感情表出:他者に話すことができない自分自身の気持ちや考えを別の形で表現する。
  • 一時的な逃避:創作の作業や感覚に集中することでその時間は悲しい思いを忘れる。
  • 自己分析:自分の気持ちや状況を詳細に表現し、分析することで自分自身と、起こった事実に対する理解を深め、混乱から抜け出す。
  • 自分自身の記録:作品は悲しみを乗り越えようと頑張った自分自身の思い出となる。

創作活動を行うことで、結果的に何らかの形で作者(ご自身)の記録が残ることになります。それら「創作物」を見返すことで、当時を振り返り、今の自分と比べることができ、“回復”を確認することも可能になるようです。これは長期的な心の支えにも繋がるようです。

ネモフィラのアイコン

実は、この論文を読んでいて、私自身とても納得感あったこともあり、今回ご紹介させていただきました。

私事の経験談になりますが、昨年、実父を病気で亡くしました。私はとても父親っ子でしたので、状態が悪いと聞いた時、息が詰まりそうな思いになりました。知らず知らずに涙が溢れてぬぐい、横になって起きられない日もありました。そんな時、「この悲しみ・涙はどこから来るのだろうか…」と自問自答しました。

もちろん健全なる父親への愛情もあるのですが、思い返せば、父と娘の温かな心の交流や思いやり、礼儀や他者を愛することを教えてくれたこと、何よりお互いを尊重し合える仲であったこと、そのような関係性を築いてくれたこと、その根本は深い愛情と感謝の念であることを改めて認識することができました。

その時初めて、悲しい涙ではなく、愛しい涙なのだと思いました。

私はその気づきと気づきの過程を忘れたくなくて、メモに書き留めておきました。そこから、父との死別、四十九日のまでの自分自身の思考や感情をメモにとり、時間のある時に文章にまとめていく作業を行なっていました。

あとで気がついたのですが、これはジャーナリングという「書く瞑想」を自発的に行なっていたことになります。上記の④に相当する行為になります。

ジャーナリングをしている期間は2-3ヶ月ほどでしたが、自分の感情や思考を吐き出しつつ、なぜそう思ったのか客観視することで、心を落ち着かせることができたりと良い効果があったと感じています。これをしていなかったらもう少し混乱した時期が長引いたのではないかと思います。また、父や家族を想い書き綴る行為が自分の中では弔い・供養になっていたように思います。

ただ、父は高齢で長患いをしておりました。私自身、長い時間をかけていつかくる別離を覚悟することができていたとも言えますので、今回ご紹介したような行動がとれたのかもしれません。喪失の対象や状況が異なればまた、喪失感の程度も回復過程も異なると思っていますので、あくまでも一例としてお受け止めください。

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最後に、「ペットロスのお話とは関係ないのでは?」というご意見もあるかもしれませんが『創作活動による癒しの効果①』の冒頭にも記載させていただきましたが、人・ペットの別なく大切な存在を失った喪失感には変わりないという想いがありますのでご容赦いただければと思います。

また、今回は「自分一人でもできる」芸術活動(創作活動)による癒し効果についてご紹介させていただきましたが、一人で過ごすことが癒しになる方もいらっしゃれば、喪失体験の前と変わらない生活を維持することが癒しに繋がるケースももちろんあります。どちらが良いも悪いもありませんので、ひとつの方法としてご理解いただければと思っております。

何か始められそうでしょうか?

参考資料:深い悲しみからの回復過程における創作活動の効果に関する研究
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjske/14/1/14_135/_pdf/-char/ja

ラベンダーの花とハート
ラベンダーの花とハート

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