
⚫︎ ペットロスは乗り越えるもの?
今日は、専門家のエビデンスに基づいたペットロスとの向き合い方が書かれている書籍、「『ペットロス』は乗り越えられますか?」をご紹介したいと思います。

まず、最初にお伝えしておきたいのですが、タイトルに、「乗り越えられますか?」とありますが、内容は決して「乗り越えるもの」といったニュアンスで書かれたものではございません。
「どんな風に向き合ったらいいのか…」と不安を抱えてらっしゃる飼い主様、またはペットロスでお辛い状況にある方を支えたいと思ってらっしゃる方に、不安を解きほぐすようにそっと寄り添ってくれるような内容です。
著者は「濱野佐代子」先生。
獣医師であり、臨床心理士・公認心理士でもある方です。
ご自身が、獣医療に携わるなかでペットロスの方々の悲しみをケアする体制がないことを嘆き、人の心の在り方を知る必要性もあるとお考えになり、心理士のお勉強・研究をなさっている方です。
一読者としてのおすすめしたいポイントを以下に5つほど挙げさせていただきます。
① ページ数が110pと軽め(1時間ちょっとで読めます)。
②ゆえに、疲れた心でも比較的楽に読めること。
③文字も大きめで、ゆったり読めること。
④獣医師、心理士という高い専門性に裏付けされた説明による安心感。
⑤なのに、やさしい語りかけの文章。
「専門的なお話」と「寄り添う気持ち」がすっきりと、でもきちんとコンパクトにまとまっている構成で、何度読んでも良くできているなと感心してしまいます。

⚫︎ ペットを喪失した悲しみや心の痛みは飼い主様の愛情の証
本書の中で一貫とする著者のメッセージに、
『ペットを喪失した悲しみや心の痛みは、飼い主さんの愛情の証なのです。』とあります。
そういったメッセージをベースに、以下のような項目で構成されています。
- 人とペットの絆
- 後悔と心身の不調
- ペットロスの悲嘆のプロセス
- 世の中に認識されにくい仕組み
- ペットロスからの「回復・適応」とは
- 様々な見送りの方法
- 回復・適応へのサポート
- ペットロスの悲しみに寄り添う
- 悲しみのトンネル
- トンネルの先に
グリーフケアの専門書ほど堅苦しくなく、でもきちんと専門的な内容で、根底には濱野先生のやさしい寄り添いのお気持ちが流れており、安心してお読みいただけるのではないかと思います。
少ないページ数でコンパクトにまとまっていますので、お気持ちの状態によって読みたいところだけ読み返して、心を休めるのにも良いかと思います。

⚫︎ ペットロスを癒やすのは飼い主様とペットさんとの愛情と絆
最後に、本書のあとがきでとても胸を打たれた箇所がありましたので、ご紹介したいと思います
(略:「ペットロスカウンセリングや研究はお辛くないですか?」という質問への回答)
大切なペットを喪ったご家族との面接は深い悲しみに満ちており、圧倒されるような悲しみや現実への怒りの発露に対しては、共にいる私もなすすべもなく、痛みから救われる方法はないのではないかと絶望感に苛まれます。
『ペットロス』は乗り越えられますか?(p107)
しかし、希望などないと思われる真っ暗闇の中、唯一の光があります。それはペットと暮らしていた時も亡くなった今も、飼い主さんが注ぎ続けているペットへの深く純粋な愛情です。その愛情に照らし出された飼い主さんとペットとの続いていく絆が、この深い闇からの救いの手を差し伸べてくれるのです。
たとえ専門家であっても、お辛い気持ちを抱えた飼い主様には寄り添うしかできず、無力さに打ちひしがれることもあるということに、私のペットロス支援の取り組みも、できることは限られるけれども、求められた時はに手を差し伸べられるくらいはできるように、必要な方の側に在りたいと思いました。
そして、ペットロスによる悲しみや胸の痛みは消えることはないかもしれませんが、あとがきに書かれているように飼い主様とペットさんとの間にある愛情でむずばれた絆によって、悲しみや痛みは形をかえながら飼い主様の支えになることをお伝えしていければと思いました。
ペットロスによる悲嘆を和らげるのは、
支援者ではなく、
飼い主様とペットさんとの愛情と絆であると、
肝に銘じました。
いつか、どなたかに、この情報が役立つことを願っております。
参考情報
・書籍情報『「ペットロス」は乗りこえられますか?』
https://www.kadokawa.co.jp/product/322401000269/
・濱野佐代子さん『「ペットロス」は乗りこえられますか?』インタビュー 悲しむ飼い主の「伴走者」
https://book.asahi.com/article/15347722
noteでも公開中
https://note.com/rosy_violet5289/n/n6502500c4929

